森の窓
2019年07月01日
今月の句です。
鉛筆の先に落ちたる雨音の
目を閉じて外の音聞く梅雨の朝
つかの間の青い光を燕切る
見るとは無しに見入る妻の汗
梅雨最中かたつむりだけ静謐に
一昨年は林京子さん、昨年は石牟礼道子さん、そして今年は、橋本治さん、さらに加藤典洋さんが亡くなりました。私にとっては、文
学を通じての身近な人達です。加藤典洋さんは、文学者と言うよりも批評家として「敗戦後論」などが代表作なのでしょうが、村上春
樹の小説を追った「イエローページ」が、村上小説の大きな道案内だと思います。戦中の人、戦後の人と、それぞれが他界する中で、
時代は「カチッ」と歯車を回したような気がします。歯車から連想で、漫画の「ねじ式」を思い出しました。つげ義治の代表作です。
1960年代の日本漫画の秀作です。意味不明的なお話ですが、ある才能の開花だと思います。
(小形烈/記)