森の窓
2018年06月18日
永きにわたり福祉現場で働いてきたので、人と人との関係が優しいものになる事を希望していますが、現実は遠いと感じる事が日々で
あったりします。それは私自身の事でもありますが。
でも読書は、私を少しやさしくするように思います。私にとって読書量とやさしさの量の少しの比例。梅雨時は、読書の季節です。
だいたいからして傘は無いし。カミュを紹介したので、カフカも紹介しなければと思いました。東欧のユダヤ人である彼の作品は、フ
ランス人の物語に比べ全く分かりにくいものです。列島人の私とはかなり違う感性を持っているのだと思いますが、読んでいる側であ
る私の感性の「何とガサツなこと」と思わずにはいられません。先ずはカフカのもっとも分かり易いかもしれない作品「変身」です。
おそらく彼ら(カフカなど)は安住の地の無い生活の中で、ヒリヒリとした感性を持つように運命づけられた生を持っているのではな
いでしょうか。そのように感じさせるのがカフカの作品だと思います。
(小形烈/記)