森の窓
2018年04月23日
前回に、池澤夏樹さんの小説を紹介しましたが、彼は東北の大地震の後に現地に行き、その報告のような物を書いています。「春を恨
んだりはしない」と言う題です。私は、3・11を巡る文書を沢山読んだわけではないのですが、池澤夏樹さんの中公文庫本「春を恨ん
だりしない、震災をめぐって考えたこと」を、石牟礼道子さんが亡くなり、大地震後7年ということも重なった今、紹介したいと思い
ました。この震災は、大地震、大津波、福島原発のメルトダウンと重なり、列島人に取って、生の根底を揺さぶるものです。
70年前の終戦後、最大の災害と言っても過言では無いと思います。この災害は、ただ不幸な出来事と見過ごす事が出来ないものでし
た。この事を巡り書かれた池澤夏樹さんの文書は、戦後人である私たちの「倫理観」として大事なひとつだと思い、読んでいただけれ
ばと思います。
(小形烈/記)