森の窓
2018年03月26日
家畜も人も、おとなしく、従順で子供っぽくなる事で、こんにちに至っているとの話があります。「今の若い者は」と言う言葉は、そ
の通りだなぁと思わせます。でもこれも進化だということです。
昨年は、カズオイシグロがノーベル賞を頂きましたが、村上春樹に比較すると、物語りの面白さは勝っているとは思えませんが大人
の作品だとは思います。イシグロの「私を離さないで」と題名が似ているだけで綿谷リサさんの「私をくいとめて」を読んで見まし
た。「難破船」は同じかも知れませんが、重さがだいぶ違い、売れ行きはともかく、現実以上の軽さを、綿谷さんは目指しているのか
なと思い作家の現在にちょっと同情してしまいました。
もうすぐ、百年近く前になりますが、芥川龍之介さんは、「みかん」という、作品を残しています。古典からの引用物、キリシタン
物、そして私小説物と沢山の短編を残しましたが、爽やかさを残す作品です。
(小形烈/記)