森の窓

森の窓

vol.25

2018年03月12日

 寒さが続くと、その寒い思いでその他の全てが疎遠な感じになってしまう事があります。でもそのような中で、言葉について考えてい

 

ます。私にとって言葉は自己のものであり、自我そのものであるように思えます。言葉が無くて考える事は経験がありません。でも言

 

葉は自分のものなのかと問われると自分のものと断言することはできません。母から教えられ、そして列島の社会から刷り込まれ、自

 

分で作った言葉などありません。ましてソシュールの言語学など、そうなのかなと思う程度です。それでも、自己の感情や自己の考え

 

は自己のオリジナリティとしては有ると思います。正しいか主張すべきことかはわかりませんが。しかし、私は私の殻を作り、私の衣

 

装を着ています。小林秀雄は大戦のあと「利口な奴はたんと反省しろ、俺は馬鹿だから反省しない」と、悪態をついていますが、私は

 

馬鹿は馬鹿なりに反省します。

 

 石牟礼道子さんが亡くなりました、ノーベル賞も文化勲章も頂きませんします、今後前方後円墳も作られませんが、「苦界浄土」は

 

戦後の列島に深く刻まれた作品だと思います。

 

(小形烈/記)

 

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