森の窓
2017年07月03日
3人の巫女さんを紹介しましたので、その流れでもありませんが、男の巫女さん「巫覡」とも言える、宮沢賢治を紹介したくなりま
す。彼は、私から見ますとその生活の人生は殆ど親がかりであり、女性の姿も妹の敏子以外に見えません。列島の自然の中から生まれ
でたひとり神「独神」のようです。
彼の詩「雨ニモマケズ」からは、私たちの中にある、美しいものを、勇気づけてくれる気がします。この私さえも、そういう人になり
たいと思えます。
たくさんの短編童話がありますが、その中で、3つを紹介します。1つは「猫の事務所」です。現代のイジメ事件を考えさせてくれま
す。仕事を続けて来た中で「解散」と言いたい時も多々ありました。もう1つは、「虔十公園林」です。知恵遅れの主人公はみんなの
ために木を植えます。博士などに認められないとさらに良いようには思いますが。さらに「土神と狐」です。私たちのいけない心を心
配させてくれる、その意味では私たちを励ましてくれる童話の数々です。
私たち、列島人は素晴らしい「独神」を授けられています。
(小形烈/記)