森の窓
2017年05月22日
イギリスの精神科医である、レインは「有る事物を見る最初の観点が、その事物に対するその後の態度をすべて決定してしまう」と
言っています。
私は50年ほど前までの、この列島に生き、生活し、日本語を日常用語にしていた、多くの女性達は、巫女になる素養が有ったのでは
と思っています。
3人の巫女と言うべき女性文学者を紹介したいと思います。今回は、先日なくなられた林京子さんです。
国家が戦争という道を選択し、無数の悲劇が引き起こされた時、その終末期に長崎市民は、原爆投下を経験させられます。ここにも
戦争は目を覆う様な悲劇を展開させます。その時、偶然に体験し生きることが出来た市民の一人が、林京子さんです。少女は後にそ
の体験を基に、小説家の道を歩きます。私に言わせれば、小説家という「巫女」になりました。その一歩が「祭りの場」です。
このアジアの孤島に住み、生活をする人々に、ぜひ彼女の生の、生の風を受け止め、あるいは、受け止めきれなくても、心で感じて
欲しいと思います。現在の私達は、ずいぶんと寂しい所まで、歩いて来てしまった様にも思います。
*最後はひとりごとです。
(小形烈/記)