森の窓
2017年05月08日
仕事に個人的な苦労は、悪魔の仕業で無くても、山とあります。やれやれです。残念ながら、苦労は至るところに横たわっています。
私に関しても、転職!それも考えなかったわけでもないのですが、「自分で選んだ仕事だし」、他にもっと素敵な仕事も思いつかない
し、天からの啓示も無かった。 結果として、好きで続けたわけです。
ヘミングウェイ、サリンジャーと2人のアメリカ文学を勧めたので、今回は、日本の文学をと思います。
大江健三郎の「芽むしり仔撃ち」です。
主人公の少年の困難と読む側の読者の困難。東大文学部仏文学科出のエリートは、豊富な語彙と豊かな感性で、主人公にも読者にも、
苦労を強いります。ドフトエフスキーの様な長いお話を書く人の小説は、読む上で苦労の連続的な面があると思いますが、これは短
編なので、苦労も超せるのではと思います。何と言っても、大江健三郎は、日本列島人の好きなノーベル文学賞の受賞者です。ちなみ
に文化勲章の受賞は拒否しています。
一読の意味はあると思います。
(小形烈/記)