森の窓

森の窓

vol.18

2017年12月04日

 ナチスドイツのT4作戦を知っていますか。国家としての障害者の抹殺作戦です。津久井やまゆり園での、元職員による大量殺人事件

 

は、個人によるT4作戦と言えると思えます。元職員は、自己の正当性を確認する為に自分よりも下と思える人を否定するという、比

 

較的単純な発想だと思います。大量殺人事件に至ることはまれですが、生活や仕事の中で沢山その様な現実に立ち会ってきたような気

 

がします。

 

さてナチスドイツに抵抗した作家は沢山いますが、やはりドイツの大作家は、トーマス・マンを挙げることができます。彼の正統派と

 

しての作品は「トニオクレーゲル」や「魔の山」などがありますが、今回紹介したいのは、「ベニスに死す」です。ドイツ人は、イタ

 

リアで生活する事により、新たな自己を再生することができる人がいるような気がします。ドイツの堅い人達とイタリアなど南部ヨー

 

ロッパの軽く見える人達、その融合は今日も難しいようです。他者の許容や受容は成熟と何かが必要なような気がしますが、その「何

 

か」を探して歩き続けたいと思っています。

 

(小形烈/記)

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