森の窓

森の窓

vol.47

2021年08月05日

ドイツでの話しです。ヒットラーが率いるナチスは1933年政権を取ります。その基で様々な差別政策がとられ、行われたのが「ホ

 

ロコースト」です。ナチスはその後ほぼヨーロッパ中を支配下におき、結果第二次世界大戦が終わるまでに、600万人に及ぶユダヤ

 

人が虐殺されたと言われます。「アンネの日記」は、ドイツから逃げ、オランダで隠れ家生活をしますが、その1か月程前からと、2

 

年間に及ぶ隠れ家生活を、日記として綴っています。8人の同居者で唯一、アンネの父が生き残り、その友人が隠し持っていた「アン

 

ネの日記」が父の手で公表されたのです。この世界で一番有名な日記は、友人が隠し持っていた、父があの「アウシュビッツ」から生

 

還したという、二重の偶然のもとに私たちの手に届きました。

 

この日記を、列島人は男も女も大人も皆読めます。なぜなら、私たちは「私小説」という、列島特有の文章表現に慣れているからだと

 

思います。14・5歳とは思えぬ、アンネの表現力と内省力に、感心させられます。彼女が生き残れたならば、有能な作家になってい

 

た可能性は極めて高いと私は思っています。これだけ長く正確な文章を、綴れる少女の才能は稀有なものです。

 

合わせて残念なことに、今日も様々な形で、世界各地で「ホロコースト」は行われていることも考えざるをえません。

 

(小形烈/記)

 

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