森の窓
2018年02月26日
好き、嫌いの個人の感情は、私たちの行動や態度に大きな影響を与えています。特に、論理とか倫理とかを考える習慣の無い場合で、
そして今日ニーチェ言うように「神が死んだ」時代では、その判断や行動の一義的な基準でも有ると思います。つまり私を含め、大き
く習慣に自己を閉じ込めれば、閉じ込めるほど、個人の好き嫌いは、さらに私たちにとって先見的で、優先させた、判断になっている
のだと思います。
でも、全ては不確かなものだと、SF作家、フリップ・K・ディックの作品に言われます。沢山の作品があり、映画化も沢山されてい
ますが、私は、「ユービック」を第一に紹介したいと思います。ディックの特別と言うべき才能は、私たちの時間を奪い、私たちの平
凡で凡庸な知を乗り越え行きます。自分自身はそれほど信用出来るものではないと感じてしまう彼の物語は、私に「夢よりも深く覚醒
せよ」(大澤真幸の新書が同名であります)と迫ります。
(小形烈/記)