森の窓
2017年11月20日
夏目漱石を紹介したので、漱石の職場の前任者を紹介します。共にじきに退職しているので、彼らには、東大教授はそれほど魅力的な
職場では無かったのかもしれません。静かで優しい日本語列島を愛した人です。ラフカディオ・ハーン、日本名は小泉八雲です。遠く
ギリシャから旅をして来た旅人です。彼は列島に辿り着いたことを喜びそこで生涯を終えました。八雲は言うまでもなく「八雲立つ」
出雲から取った名前です。1500年前の古事記や日本書記の時代の出雲にかかる枕言葉です。
彼の作品は多数有りますが「日本の面影」を紹介します。私たち列島人が歩いて来た、漱石とはまた違う、別の懐かしいような列島で
す。それからの時代を歩き、私たち列島人の得た物は大きなものかも知れませんが、「日本の面影」を読むと、私たちの失ったものの
大きさも考えざるを得ません。旅人から、自分たちのことを教えられることがあります。
(小形烈/記)