森の窓
2017年10月09日
まったく個人的で恣意的ですが、俳人松尾芭蕉、そして詩人谷川俊太郎を紹介した後は、歌人を紹介したいと思います。
俵万智さんの「サラダ記念日」です。おそらくこれほど売れた歌集は、後にも先にも無かったのでは。歌人としての知識を基に、言葉
を織り成すことでなく、普通の女性が、日常生活の言葉で歌を読むことを、見事に達成した、その感性と能力には、まったく驚かされ
ました。その軽みは、ある意味松尾芭蕉の歌心でもあるのではないでしょうか。
東海の列島人の社会が、若い女性達の幻想をその中心軸に動いていくことの、「ミシャクジ」のような歌集だったような気がします。
もしかしたら、彼女もやはり列島の巫女だったのかもしれません。
列島の幻想は「アマテラス」や「山の神」でも、女性の幻想を基に、回っていることに、密かに確認しておいた方が良いようです。
(小形烈/記)