森の窓
2017年09月25日
今を精一杯生きる、しかしその中から明日、回収可能なものも、回収不可能なものもあります。未来の約束が無い中で、私たちは希望
を持ったりするのです。深く絶望し、なおかつ希望を持つことを、私たちは強いられていると言っていいのだと思います。
文学を読むという、他者の個人的な幻想やある共同的な幻想に、共感したり、唾棄したりの繰り返しで、私は生きてきましたが、時間
を感じられることが生きていることでもあります。
前回は江戸時代の俳人松尾芭蕉を紹介したので、現代の詩人である谷川俊太郎さんを紹介したいと思います。彼の10代時の詩集
「20億光年の孤独」は高校生の私を躊躇なく瞬時に捉えました。それは、孤独である事は、ある意味自立でもあったのです。この詩
集の発表以来、谷川俊太郎さんという詩人は列島の唯一と言っていいのかも知れない職業詩人としていまだに言葉の魔術師として活躍
しています。
(小形烈/記)